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■京都映画セミナーレポート

記事:太秦小雪(2002年2月13日)

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 NHKで放送された「人間ドキュメント」を編集し、三部構成で上映される。まず、RED SHADOW赤影でのシーンより。殴られた後、大きくのけぞり気絶するシーンで、本当に脳震盪を起こしてしまった部分。

福ちゃん「思いっきり首を振る癖がありまして。目の前が真っ白になりました。後頭部の毛細血管がブチブチと切れたんちゃうかと(笑)」

「人間ドキュメント」の演出では、せっかくの福ちゃんの何十年ぶりの晴れ舞台に、斬られない役所というのはあまりではないか、という思いの殺陣師と監督との葛藤が縦軸になっていた。

首藤さん「斬られずに殺されない役というのは…」

しかし福ちゃんはあっさりと、

「まあ、映画の流れがそうですし。その中で迫力あるやられ方をすればいいだけです」

 次に青春時代の場面。故・川谷拓三氏と写るセピア色の写真。

福ちゃん「拓ボンは私のように米屋から転職した者と違って、昔からよく映画を見ていました。ああいう役がしたいとか言ってて。だから世間に出たとき、やっぱりなあという感じがしましたね」

首藤さん「お若い頃、目がくりくりしてかわいいですね」

福ちゃん「いやはや…(笑)」

 手持ち無沙汰の時は、手の平を上下にすりあわせ、入れかえる福ちゃん。照れ屋というより、こういう場にまったく慣れていないんだと思う。

 最後に暴れん坊将軍の斬られる場面の総集編。吉宗に当てられ、かがり火を倒しながら廊下に突っ込むシーン。「ひゃ!危ないわあ」ととなりのおばさん。「うまいこと倒れませんでした」というコメントに場内から笑いがおこる。しかし次の、砂地につっこみ血を流し、舞台の端で密かにバンソウ膏を貼る場面では、あちらこちらから「うわぁ、血が」「痛そう・・・」との声が。

首藤さん「お怪我されながらも必死に演技されるお姿は素晴らしいです」 という尊敬のまなざしに、 福ちゃん「いや、まあキズくらいしますわ。あたりまえのことですわ」と笑う。

首藤さん「人間ドキュメントが放送されて反響も大きかったと思われますが。たくさんお手紙をいただいたそうですね」

福ちゃん「そうですね。高校生の方から手紙が来て。『私はバレー部の補欠なんですが、番組を見て、私も補欠だけどがんばろう。いつかレギュラーをとれるように』という手紙をもらいまして。ああ、私なんかの姿を見て、そんなことを思ってくれたのかと思いました」

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