佐久の風花・メモリアル

オリジナル短歌&エッセイ&気まぐれ日記

短歌(6/8)

東京へ(9月25日)

呼吸器を装着の子に付き添ひて海辺のホテルの結婚式に

幼孫ふたりを連るる嫁の後を子の車椅子気負ひ押し行く

広き窓にレインボーブリッジ一望の披露宴にて際立つ花嫁

花嫁は子の連れ合ひの妹御細身にピンクのドレスが似合ふ

海見ゆるホテルの披露宴ハワイアンの生演奏に心弾ます

新郎のハワイ贔屓も披露されバンドが奏でるカイマナヒラ

呼吸器を付けし子なれば日帰りの旅にて忙しく東京駅へ

皇太子の警備厳しき東京駅「愛・地球博」最終日とふ

呼吸器のバッテリー残量気にしつつ押す車椅子常より重き

佐久よりを十時間余の日帰りにあれど事故なく息子一家と

2005年12月19日(月) 00時00分

短歌新潮六百号記念歌会(H17・11月)

短歌新潮六百号の記念にと表彰されたり支部長われは

名ばかりの支部長なれば面映く表彰状を俯きて受く

子の介護夫に託して出席の本部歌会の熱気に酔へり

人様の歌を評する才知など無くば焦りて背に冷や汗が

忙しさに常せかせかと日を送るわれなり出で湯に首まで浸る

湯宿より見下ろす千曲ゆつたりと流れゐて心おだしくなりぬ

六百号記念の歌会に出られたる幸を留守居の夫に感謝す

記念品の花瓶品よく短歌新潮の名入れも嬉し紅ばらを挿す

2005年12月10日(土) 00時00分

安曇野

照りかげる程よき晴れのクラス会早苗田続く安曇野にいま

山葵田の水清らかに流れゐて黒き寒冷紗にアカシアの散る

山葵入りのソフトクリーム風味良くアカシアの散る樹下に友と

早春賦の碑のまへ友らと相寄りて歌へり川面に声響かせて

大ざるの蕎麦の冷たさしこしこと喉越し良ければ箸のばし食ぶ

安曇野はどこそこ佐久に似通ふと続く早苗田見つつ思へり

クラス会は昔むかしの思ひ出を更に美化して無垢となりゆく

またの逢ひを約して友らと別れたり双体道祖神ゆかし安曇野

2005年07月15日(金) 00時00分

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著者

ルナ(土屋浩子)

昭和16年生まれ。長野県佐久市在住。昭和48年3月、「短歌新潮」入会、丸山忠治先生に師事。昭和60年12月、第一歌集「風花」を出版。平成19年6月、第二歌集「水辺の秋」を出版。平成20年11月没。

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