佐久の風花・メモリアル

オリジナル短歌&エッセイ&気まぐれ日記

エッセイ(3/8)

頂いた内飾り

今年は孫の初節句。

お祝いに鎧の内飾りを奮発しようと考えていたら、次男が「ネットの友達がくれると言ってるから、兄貴に聞いてみたら・・」と想像もしなかったことを言い出した。

ええっ???私は瞬間、そんなお古なんてと思ったが、それでもと長男夫婦に聞いてみた。

ところが、二人ともいとも簡単に「じゃあ、それ貰おうかな」と言う。「お古だよ」と私が言うと「何でもいいよ、だって新しいのだと三十万くらいするらしいからさ」と長男。

そして「無駄なお金を使わなくて済む」と喜んでいる。

次男に「欲しいって言ってるよ」と私が言うと、「内飾りのセットは十五年前に十五万円で買ったもので、新品同様らしいよ」と次男。ええっ???男の子が三人もいて、なんで新品同様なのだろうかと信じられない思いの私を尻目に、次男は友達にメールでその旨を伝えた。

しばらくして玄関に大小のいくつかの荷物が届いた。

私がお節句の内飾りかなと言うと、孫娘がみおちゃんも手伝うと言いながら、紙包みをびりびり破きだしたので、仕方なく荷物をほどいた。そしたら本当に眼を見張るような立派な鎧や弓矢、刀などが入っていてびっくりしてしまった。なるほどこれはまさしく新品同様だ。良く手入れがされていて、平飾りの台など指紋ひとつ無い。鎧もたった今買ったばかりみたいに美しい。

どうしてこんなに綺麗に保存が出来ていたのだろうか。

私の息子たちなど、一歳のころ紙で出来た柏餅は飾ったその日にみんな破いてしまったし、刀は抜いてふりまわすは、陣太鼓は持って歩くはで三年めになったらぼろぼろだったことを思い出した。

ふと見ると荷物の中に小さな箱があって、白い手袋と羽ぼうきが入っている。ああこの手袋をはめて、羽ぼうきで手入れをしていたのだなと私は感心してしまった。

次男の友達は物を大切にする心やさしい人なのだと胸がじいんとした。この内飾りを手放すときはどんな思いだったのだろうかと申し訳ない気持ちになった。

そして私はその送り主の声を聴きたくて、電話をかけようとしているところへ先方から電話を頂いた。

電話の向こうの声は想像通り溌剌として明るい感じであった。

丁重にお礼を言い、管理の良さを絶賛した。

話が進むうちにすっかり緊張が解けて、まるで十年の知己のように会話を楽しんだ。

電話の後も何かすがすがしい思いがして、次男にもこんな素敵な友達がいることを誇りに思った。

2005年04月11日(月) 00時00分

どろぼう出没

去年から今年の二月にかけて我が家の周りの何軒かが、どろぼうの被害にあった。

その手口はみな同じで、窓のカギの周辺のガラスを割って、その穴から手を入れてロックを外すらしい。

そして一様に昼間留守がちで犬を飼っていない家ばかりが狙われている。やはり犬がいると吠えられるから敬遠するのかもしれない。それにしても人の物を盗るなんてどういう根性かと腹が立つ。真面目に働いてお金をいただくという、当たり前のことが出来ない怠け者の仕業と思うが、未だに掴まらないから不思議この上もない。

警察はいったいどういう捜査をしているのだろうか。

この辺は昼間はもとより夜もカギなどかけなくてもどろぼうは入らなかったものだ。それが今では昼間からしっかりカギをかける習慣がついて、まるで都会並みになってしまった。

そんなことが都会並みなんて嬉しくもない。

どろぼうが掴まらない原因の一つにコンビニがあるように思えてならない。なぜならば昔はちょっと見慣れない人が来るとすぐ目立ったものだが、今は見慣れない人に会っても、コンビニのお客かでおしまい。だからどろぼうも安心して悪さをするのだと思う。カギを複数つけたり犬を飼ったりと自衛をする家が増えた。

我が家も犬を二匹飼っていて、玄関に犬のシールを二枚貼ってある。人が来るとやたら吠えまくるので、すみません躾が悪くてと言いながらも内心にんまりとしている。

三月に入ってから鳴りをひそめているどろぼうと思っていたら、何と隣りの部落で悪さをしているとか。

善良な人々の生活を脅かすなんてとんでもない輩だ。

こんな不逞のやからを警察は一日も早く逮捕すべきだ。

2005年03月31日(木) 16時37分

あらら・・消えちゃった!

「やぶれかぶれの歌が・・・」と題して、本部歌会で最高点賞になり、楯をいただいたと言うエッセイを修正しようとして、うっかり削除キーを押してしまったら全部消えてしまった。

あっという間のできごとで、どうしようもない。でも自分の気に入らない歌で最高点賞なんてと、贅沢な文句を書いた罰が当たったのかな。人様が良い歌だと点数を入れてくださったのだから感謝しなければならないのに、私は何てわがままなことをと悔やんでも消してしまったものは戻らない。

確か最後にこんなことを書いた記憶が・・・

マネキンにふふふって笑われないように、せめて11号の服が着られるようにダイエットしよう・・・

初めての方には私が何をわめいているのか解らないと思うので、最高点賞をいただいた歌を・・・

二の腕もヒップも通らず試着室出づればそこにマネキンが笑む

2005年03月25日(金) 00時00分

ホームへ| ↑ページのトップへ

MENU

著者

ルナ(土屋浩子)

昭和16年生まれ。長野県佐久市在住。昭和48年3月、「短歌新潮」入会、丸山忠治先生に師事。昭和60年12月、第一歌集「風花」を出版。平成19年6月、第二歌集「水辺の秋」を出版。平成20年11月没。

リンク集

Powered by COZALWEB
Copyright (C) 2009 佐久の風花メモリアル All rights reserved.