特別企画!

  • 福ちゃんをテーマとした当サイトスペシャル企画です。

■京都映画セミナーレポート

記事:太秦小雪(2002年2月13日)

セミナー概要
  • 表題:京都映画セミナー「どこかで誰かが見ていてくれる」~斬られ役・福本清三~
  • 日時:2002年2月9日(土)14:00~
  • 場所:京都アスニー中央図書館敷地内 京都市生涯学習総合センター4F「ホール」
  • 内容:福ちゃん出演作上映&講演&サイン会
(注)
  • メモは一切とっておらず、すべて記憶からおこしたものです。ゆえに、本当におっしゃった言葉とは異なるのですが、大体において、こういう意味のことを発言されたということで勘弁してください。(太秦小雪)

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 京都アスニー前には13:50到着。徒歩の私を駆け足で追いぬいていく人、併設図書館には目も向けず一直線に会場に向かう人。人それぞれながら、みなさん、その目的は私と一緒に違いない。

 予想通り4Fの会場はすでに満席。入れない人々が入口で群れをつくる中、スタッフの方が「下の階の別会場で中継を行いますので」という説明を行っている。私は前列に着席。相席となったおばさん二人連れと話す。お二人は3日前の京都新聞に今日の講演会のことが載っていたので来たとのこと。「でも福本さん、もうすぐ定年なんですよ」「え?役者に定年があるの?」

 講演会開始。時間通りピッタリはじまる。最初に進行の男性がこれからの流れを説明。最初に福ちゃんがゲスト出演した杉良太郎の番組、「同心暁蘭之介」(82年)を見ていただくとのこと。「私、計りましたら、福本先生は9分○○秒出演されておられました。番組全体の1/4も出ておられるのですね。」

 舞台は大江戸。八丁堀同心の杉良の、勧善懲悪ではない社会派時代劇。福ちゃん演じる元侍は、上司の旗本に妻を手篭めにされ逆上。散歩中の上役に斬りかかり、そのまま江戸の町を逃亡、風呂屋に人質をとって立てこもるというあらすじ。一応、彼も被害者なのだけど、そんな視聴者の感情移入を断ち切るかのように、刺し、斬り、吼えまくる福ちゃん。夜が明け、風呂屋から逃亡し、馬で江戸の町を駆け抜ける。

 後のインタビューで「昔、撮影で乗っていた馬車のコントロールがきかなくなり、馬が車かどこかに突っ込んだことがあって、それ以来馬に乗るのは怖いんです」ということで、その乗り方はマジに危なっかしいが、むしろ逃亡者の焦りをリアルに感じさせた。目の前を通りかかった母と子を「じゃまだ!」と斬り殺す残虐さに、会場から思わず「ひゃぁ!」という声。

 さらに寺子屋にたてこもった福ちゃん。杉良、追い詰めても解決にはならぬと、切腹をかけてこの警備囲いを解くよう上役を説得。自由の身になった福ちゃんが向かった先は、あの憎き上役の屋敷。1人待ち構えていた杉良。真剣で対峙する二人。芸術的な鋭い殺陣、杉良のするどい刀に斬られ地面につんのめる福ちゃん。しかし、恨みを晴らさんと、なおも屋敷の戸に手をかける。顔のアップ、迫真の演技だ。しかし結局果たせず命尽きる。その様子をフンという感じで見る上役。そんな旗本に刀をかざすも「封建社会の前になにもできない彼」と小林清二(ルパンの次元)のナレーションで幕。場内から拍手。

 照明が明るくなる。と、なんとここで突然福ちゃんと首藤真沙保さんがスクリーンの前に現れ場内驚愕&大拍手。「せっかく来ていただいたのに、今日は入れずにすいません」本会場より先に予備会場で挨拶する福ちゃん&スタッフの心意気に感動する。

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